アラカン山脈の向こうにあった親日の国!

ーバングラデシュ人が抱く格別な「親日感情」ー

今も、バングラデシュの日本人ビジネスパーソンは、日本では想像もつかないような数々の不便に直面し、様々なストレスを抱えている。だが、決して悪いことばかりではない。「日本から着任したということだけで、現地の人から大変好感を持たれます」と語る駐在員もいる。

そう、この国は「親日」なのだ。バングラデシュ人には、他国には見られない格別な「親日感情」がある。

1994年、南アジア諸国で初めて日本の国連安保理常任理事国入りに支持を表明したのはバングラデシュだった。また、経済協力関係で言えば、日本はバングラデシュの最大の援助国であり、主要貿易相手国の1つである。そして、バングラデシュの独立を支持した最初の先進国、それが日本でもあった。

振り返れば今から41年前の1971年3月26日、バングラデシュ人民共和国は、東パキスタンから分離し独立を宣言した。その際、バングラデシュを国家として最初に承認した先進国は日本だった。 

東京外国語大学の奈良毅名誉教授は、「そのときからバングラデシュは『先進国の日本は最重要国だ』という認識を持つようになったのです」と語る。

日本のベンガル語文学・文学研究者の大家として知られる奈良教授は、当時、東京外大アジア・アフリカ言語文化研究所のインド第一研究部門で助教授を務めていた。留学生とともに日本からバングラデシュ独立を支持した中心人物でもある。

バングラデシュの親日感情は、日本貿易振興機構(JETRO)がダッカ市内の大学生を対象にして行った意識調査(日刊通商弘報)にも見ることができる。彼らは、バングラデシュにとって重要な国として、日本を隣国インドに次ぐ第2位に挙げた。「独立以来、開発援助をしてくれた国だから」「友達だから」という理由が圧倒的多数を占めた。

確かに資金を提供して助けてくれた国となれば恩義はあるし、「友達だ」という友好ムードも醸し出されやすい。「日本は金持ち」「日本に向いていれば金をもらえる」という打算も皆無ではないだろう。

だが、この国の場合は、単に金銭が友好をつないでいるわけではないようだ。そこに見て取れるのは、日本人に寄せる揺るぎない信頼だ。

ー1人ひとりの日本人が「日本ブランド」をつくり上げたー

国際協力機構(JICA)が行っている政府事業の1つに青年海外協力隊の派遣があるが、ここバングラデシュでも、草の根事業として農業技術の指導や女性の自立など現地生活の底上げに貢献している。

日本のODA事業の中でも「顔が見える協力」とされる協力隊派遣事業は、実はもう1つの効果をもたらしている。

JICAバングラデシュ事務所長の戸田隆夫氏は、次のように話す。

「JICAが派遣する協力隊員は、2年前に延べ1000人を超えました。隊員たちは全国に散らばり、現地の人々と寝食を共にする。次の隊員に入れ替わると『サトウを知っているか』『タナカを知っているか』と尋ねられる。村人の記憶には日本人の存在がしっかりと刻まれ、日本人の頑張りや取り組みが語り継がれているのです」

「サトウは村のためによくやってくれた」――。

きちんと約束を守り、口を動かさず手を動かす、それでも決して偉そうにすることはない・・・。日本人がバングラデシュ人に好かれる理由はここにある。バングラデシュには、こうした日本人と一緒に過ごした人々が、全国津々浦々にいる。また、農村のみならず、バングラデシュの政経界においても、日本に寄せる信頼や好意が存在するとも言われている。

一人ひとりの日本人が流してきた汗が、「日本ブランド」をつくり上げているのである。

「バングラデシュの日本ブランド、それを我々が壊すことなく、信頼を引き継いでいかなければなりません。バングラデシュの親日は、決してお金欲しさの社交辞令ではないのです」と戸田所長は続ける。

ー反日感情が渦巻く中国にいて思うことー

筆者はバングラデシュを訪れて、「この国のために」と身を削って闘う日本人たちと出会った。そこにはどこかピュアなものがあり、また、それをじっと見つめるバングラデシュ人がいることにも気づいた。親日感情というものが金銭によってもたらされたものでないことも知った。

筆者は今この原稿を、反日感情が燃え上がる中国・上海で執筆している。ビジネスに反日も親日もない、とは言われるが、果たして本当にそうなのだろうかとも思う。とどのつまりはパートナーや従業員、そして顧客、そしてビジネスの舞台となる両国間が互いに“相思相愛”にならなければビジネスは成就し難い。その相思相愛を成立させる条件の第一は、「互いに寄せる信頼」があるということだ。バングラデシュには日本や日本人に寄せる絶大な信頼がある。40年かけて双方が築き上げた過去のこの無形の資産、日本人はそれに気づき、もっとそれを活用すべきではないだろうか。

全文は此方 : http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36199

(以上、JBPRESSより。)

ーMessage from Bangladesh to Japanー



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