フィリピン少年が見た「神風」~幼い心に刻まれた優しい日本人たち!

「フイリピン少年が見たカミカゼ」 : ダニエル・H・デイソン

著者は、フイリピンの大学で美術を教えている。少年時代に出会った日本軍(人)の印象を、良いことも、悪いことも隠さず、素直に書いてくれている。

子供の頃から絵が得意だった著者は、日本兵の肖像を描いたりして喜んでもらった。
その為、かなり詳細な日本軍の兵士の姿が、氏の画才と相まって、著作には正確に沢山収録されている。

氏の文章中で印象に残ったのは、三点。

①スペイン~アメリカと植民地の支配者を変えているが、フイリピンは、スペインの冒険家マゼラン来訪前には、それなりの文明を築いていた。しかし、それを根こそぎ否定され、完全な西欧文明に支配され、言葉も英語を強要されていたフイリピンにとって、「絶対に敵わない相手」であった西欧人~アメリカを、いとも簡単に打ち負かした有色人種(日本人)は、まさに「驚異であり」「目からウロコ」であったようだ。

②日本軍も悪いことをした兵士がいる、しかし、アメリカもスペインも悪いこともした。これはあってはいけないが、戦争が起きるなかでは仕方のないことと、著者は考える。また、人口も農業生産少ない小国であるフリピンにとって、食料や資源の乏しい日本軍が大量に進出してきたことで、一気に食料の収奪が始まり、餓死者も出て反日感情が高まった。また、戦争の後半は、日本軍の発行する紙幣が紙屑同然になったり、敗退のなかでゲリラ化するフイリピン独立運動家、落ち武者狩りをする一般のフイリピン人等と、現地と日本軍が、非常に関係が険悪になった。もう少し、当初から現地に合わせる対応があれば良かったが、不幸なことが重なって、更なる相互不信に繋がった。

③アメリカ軍は勿論、フィリピン人がおおよそ持ち合わせない日本軍の紀律の良さ、約束や礼節を重んじる国民性に深く感銘を受けた等である。
そして、氏は、相対的、総合的には日本軍(人)の美点を認め、特に特攻隊の持つ精神性に深い感銘を受ける。更には反日感情から反対する人もあるなかで、関行男大尉の率いる最初の特攻隊の飛び立ったフイリピンの飛行場跡に、特攻隊の記念碑を立てる。

そして、特攻隊の生みの親であり、責任を取って割腹した大西瀧治郎中将の奥様も、同地へご招待するに至る。

現在、支那との国境紛争を引き起こした要因のひとつは「アメリカ軍の撤退」と言われている。しかし、この本を読んでいると、アメリカ軍の排除は、何ものにも代えがたい、彼等にとっての悲願のひとつだったかもしれないという気がしてきた。

冷静に、日本軍の良さ、悪さを感じ、しかし、その美点をトータルで良しとして頂き、日比の架け橋になって頂いた著者に、改めて感謝したい。

(錦織 伸行さんより。)

実は、もう既にお亡くなりになってしまわれましたが、当FDSA航空学校にも一時ですが「神風特攻隊員」と少年時代を共に過された経験を持つフィリピン人航空エンジニア「バシリオ先生」が教鞭を取ってくれていました。

やはり、全く同じお話しをされていました・・・。



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2 返信
  1. アジア素浪人
    アジア素浪人 says:

    日本軍の規律の高さは軍関係者に良く聞く事です。朝鮮戦争に参戦した老兵の豪州士官にも聞きました。彼の奥様が日本女性である事を割り引いても納得できます。
    彼曰く日本軍は非戦闘員に無碍な事はしなかった、悪評は勝者の一方的な主張、バターンの死の行進もしかり、予想を上回る投降将兵で兵站が間に合わなかった結果だと。民間諜報者に厳しかったが無益な殺戮、婦女子への暴行は他国軍に比して極端に少ない。米軍のような一般市民を巻き込んだ無差別爆撃艦砲射撃は避けた。米軍は先住民族殲滅思想を継承してると彼は言います。
    因みに彼は退役後豪軍戦史研究所を経て米国籍になりビジネスマンになった人物です。

    興味あったのは欧州中世期の戦争は食糧争奪戦争だから敵を殲滅皆殺しにする必要がある。敵方の女性を強姦陵辱するのはその為だ、ボスニアヘルツゴビナのエスニッククレンジングもその延長。

    同じ民族同士のいわゆる内戦で人間はどうしてこもまでなれるかと感じたボスニア紛争後を見て考えた疑問が払拭しました。

    返信
  2. FDSA
    FDSA says:

    アジア素浪人さん。

    コメントをありがとうございました。

    仰られる様に「日本軍は非戦闘員に無碍な事はしなかった、悪評は勝者の一方的な主張、バターンの死の行進もしかり、予想を上回る投降将兵で兵站が間に合わなかった結果だと。民間諜報者に厳しかったが無益な殺戮、婦女子への暴行は他国軍に比して極端に少ない。」と言うのは、良く判ります。

    その理由は私が、実際に此の目で見て聞いた1990年代の元韓国某大統領の親族に依るフィリピン国民に対する反日講演に他国の大使館員と共に招待されてしまったからです。
    講演では、「当時の日本軍は、フィリピン人に対してこんな酷い事をした!あんな悪い事もした!」と、とんでもない捏造内容をフィリピン人や他国大使館員を前に連日行っていました。

    当時の新聞にも大々的に写真入りで出ましたので、ご存知の方もいらっしゃると思います。

    「同じ民族同士のいわゆる内戦で人間はどうしてこもまでなれるか?」との事も、正しく中国を考えると似ている感じがして参ります。

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