秩序を大切にしても「愚かな羊」にはなるな!

日本は未曾有の大災害に見舞われたが、被害に遭っても冷静で動じない日本人の態度は海外で高い評価を受けているようだ。

人間は大きな災害に遭遇すると、将来的を案じるよりも、この時間を生きることにエネルギーを燃やす生き物なんだな。

太平洋戦争を生き抜いた日本人は、戦後の混乱の中でも、今、自分たちが生きているということを実感できたし、困難な状況を嘆く前に、生きる喜びを味わっていたはずだ。

原子力発電所の近くで被災した人たちだって、パニックにならず、今できることをやりながら、前を向いて生きている。

今回の不幸な災害をきっかけに、今まで日本人が失いつつあった気質、例えば礼儀正しさ、謙虚さ、勤勉さ、人情などが甦っているようだ。

日本は、もともと「相互扶助」の国だ。
聖徳太子の時代から「和を以って貴しと為す」ってのが国是のようなもので、それが連綿と続いてきた。

「終身雇用」もその表れだ。
大企業では社員の面倒をずっと見続ける制度が長い間定着していた。
だから、みんな大企業のサラリーマンになりたがったんだよ。

ところがバブル以降に、欧米的な個人主義とか実力主義、成果主義なんてのがもてはやされるようになった。
「勝ち組」という言葉が頻繁に使われるようになって、和とか礼節、謙譲という、長年培われた日本人の美徳が忘れ去られようとしていた。
まるで明治時代の廃仏毀釈みたいなものだ。

そこに、この震災だ。
最悪と言える災害の中で、なおも秩序を保ち、譲り合いを忘れない人々を見てると、日本人が大切にしていた「自分に恥ずかしくない生き方」というものが甦ったように、おれは感じるんだ。

ー製造業全体を見渡して実効性のある政策をー

うちの工場は東京にあるから、今のところ計画停電による影響はないんだけど、製造業の多くは計画停電のため、機械を効率よく稼働させられないようだ。

工場のラインっていうのは、稼働させるまでの準備に時間がかかる。
複雑な工程の機械は特にそうだ。
だから稼働後に停電、しばらくしてから稼働させて、また停止、っていうんじゃ、製品の品質を維持するのもままならない。
工場は仕事にならないんだよ。

昔から常々言ってきたけど、製造業の大手企業はアッセンブリー、つまり組み立て屋だ。
そのほとんどの部品を製造しているのは、中小企業なんだ。

だから中小企業が製品を出荷できなければ、大手企業のラインは止まる。
日本の最先端のものづくりは維持できない。
東日本大震災でそれは現実となった。

国内の自動車メーカーや家電メーカー、コンピューターメーカーだけでなく、海外の先端技術にも影響が出ている。
日本の中小企業の技術力がいかに高いか、他では真似のできない技術がいかに集積されているかということが、こんなところでも表れたわけだ。

円高などの影響で、多くの大企業は工場を海外に移し、製品の組み立てをアジアの国々にやらせている。
でも、高い技術力を必要とするため、日本でしかつくれない部品がある。
それらは日本の国内の中小企業が担っているんだ。

東北の町工場が震災でやられたり、輸送面で影響が出たり、東日本の町工場も計画停電の影響で納品が遅れたりして、大手メーカーからの発注が西日本へ移っているっていう話もよく聞く。

大手メーカーのラインが止まれば、1日当たり膨大な損失となるが、東北、関東の町工場はそれどころじゃない。
関西や海外に発注をシフトされて仕事が減れば、存在そのものが危なくなる。
町工場の努力だけで試練を乗り越えるには限界がある。

だからこそ、強いリーダーシップを持った人が日本の製造業全体を見渡して、実効性のある政策を早急に打ち出してほしい。
今こそ、政官民が一丸となって、東北、関東だけでなく日本の製造業をどうやって守っていくかを考える時に来ているんだ。

ー権力に対して言うべきことは言わなくちゃー

さて、日本人は礼儀正しく謙虚で、秩序を大切にするって言われれば、悪い気はしない。
しかし、こう言っちゃ何だけど、日本の民衆のエネルギーってのは心もとないくらいに弱いよな。

「災難に遭う時は、災難に遭うのがよろし」と昔の偉い坊さんが言ったらしいが、日本人がみんな、原発事故がまるでほかの国で起きた他人事のように平然としているのはどういうわけなんだろう。

「社会は驚くべき秩序が保たれている」と外国のメディアには映るようだが、本当にそうなのかい?

アラブ世界のあちこちで政府をぶっ倒そうなんていう革命やデモが起きているが、こういった爆発的なエネルギーが、今の日本にはまったくと言っていいほどない。

アメリカのある実業家が「我々の多くは愚かなヒツジに似ている」と書いている。

つまり、愚かなヒツジは、先導者が橋の右側を渡って川に落ちるのを見ていながら、自分もその後に従って右側を通り、川に落ちてしまう。
先導者が落ちたら自分は左側を行けばいいのに、気づかない。
それだけの注意と独創力がないから気づかない、というんだ。

最悪の状況の中でも礼儀正しく、謙虚で、秩序を保っていることは、日本人が世界に誇れる気質だ。

だけど日本人は、もっと権力を警戒して、異を唱えてもいいんじゃないのかね? 時と場合によっては、お上が決めた法律や制度を疑えってことだ。
だって昔から言うだろ。「法は善人のためにつくられたものでもない」「法は警戒を怠らない者を助け、眠っている者を助けない」ってね。

おれたちが知らぬ間に「愚かなヒツジ」にならないためにも、目を見開いて、警戒を怠ってはいけない。
いつでもどんな時でも、権力を持っている奴らに言うべきことはしっかりと言うべきなんだよ。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/7345

(以上、JBPRESSより)

今、フィリピン国内の多くの在比日系工場では今回の大震災に依る深刻な被害が出て来ていますね。

主たる原因が、日本からの主要部品が届かない事です。
在庫部品が底をついた時点で生産停止に追い込まれていきます。

正しく今回、日本と言う国の「カントリー・リスク」が表面に現れてしまいました。

反面、多くの企業がその対応策としてフィリピン国内での部品調達率を引き上げていくでしょう。

在比中小日系工場としては、一種の震災特需になり得ます。

しかし、問題は日本国内の中小企業が打撃を被ります。

そして、その中小企業も海外進出を考え始める・・。

悪循環が日本経済を襲う事が懸念されます!



にほんブログ村 海外生活ブログ フィリピン情報へ

0 返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です