難題に立ち向かえない日本の政治家! / 世界最強な天皇陛下

(2011年7月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ここ数カ月というもの、筆者は気づけば何度となく、世界第3位の経済大国である日本が耐え忍ぶ指導力不足を嘆く日本の友人たちを慰めようとしてきた。

そんな時、彼らにはこう言ってきかせる。

第2次世界大戦以来最大の災害の後でさえ、永田町がなお、復興について議論するより、現政権をどれだけ延命させるべきか言い争うことに関心があるように見えるのは、確かに気が滅入る。

ー世界を見渡せば、多少の慰めも?ー

だが、永続的な政府を築けない先進国は日本だけではない。総選挙から13カ月経っても暫定政権が続いているベルギーを見るといい。

日本の短命な首相(過去5年間で5人の首相がいる)に対する悲嘆は、イタリアとの比較によって和らげればいい。
筆者の友人の中でも、回転木馬のようなイタリアの首相交代ペースをついに遅くしたものの、税金詐欺から「ブンガブンガ」パーティーに至るまで様々な不正行為で告発されているシルビオ・ベルルスコーニ首相の日本版の方がいいと思う人はほとんどいないだろう。

多くの日本人は、国会が数カ月以上先まで政府支出を賄うのに必要な新規国債発行を承認しないことを心配している。
だが、ワシントンではもっと大きな予算のチキンゲームが起きており、共和党と民主党が米国の債務上限引き上げを巡って言い争っている。

また、日本の政治の行き詰まりは見た目ほど完全なものではない。
野党は参議院を支配しており、菅直人首相を退陣に追い込むと誓っているが、議員たちはそれでも静かに、災害対応のための資金拠出や震災の影響を受けた銀行の支援、コンピューターウイルス拡散の犯罪化、障害者の虐待防止、訪問介護の促進などを目的とした法案を承認してきた――。

驚くまでもなく、こうした議論はわずかな慰めにしかならない。
大部分の日本人にとっては依然、この国が直面する課題の大きさと、政治家の対応との間には非常に大きな食い違いがある。

曖昧な退陣の約束と引き換えに国会の内閣不信任案を切り抜けた後、菅首相自身が次第に、対立の絶えない与党・民主党の仲間からの孤立を強めているように見える。
待望の復興担当相に首相が選んだ松本龍氏は、被災地の県知事に向かって来客の際の礼儀について説教する姿をカメラに映された後、就任9日目にして辞任することになった。

震災後に上昇した菅首相の支持率は、今では急落している。数百万トンの瓦礫がまだ処理されず、数万人の住民がなお避難所暮らしを余儀なくされている。
東北地方沿岸部の被災地の人々はもっと報われてしかるべきである。

ー明確で説得力のあるビジョンを示せない政治家ー

恐らく、政治家たちの最大の欠点(菅首相と対抗勢力が共有する欠点)は、被災地の人と国民全体に明確で説得力のあるビジョンを示せないことだろう。

識者の中には、これを個々人の指導力より集団のアイデンティティーと合意形成を重んじる戦後の議会政治と文化のせいにする人もいる。
一方で、首相官邸に与えられている限られた権限は、将来現れかねない独裁者に対する有益な防御策だと言う人もいる。

しかし、小泉純一郎元首相が務めた5年の在任期間は、日本の政治制度が因襲を打破する首相を許容でき、有権者が政治家に先頭に立って指揮を執ってほしいと考えていることを示唆している。

東京では今、一部の人が、主要政党がそのような指導者を生み出せず、思想的な立場さえ明確に示せない状況は、超国家主義者が1930年代に日本を戦争に向かわせる一因となった民主主義の信用失墜を招きかねないと懸念している。

そうした懸念は行き過ぎだ。
今年4月の東京都知事選挙では、ある泡沫候補が「尊皇攘夷」(日本では反旗を翻したサムライたちが武器を持って19世紀の封建体制と戦った)という外国嫌いのスローガンを掲げて、国家主義者の不満に訴えようとした。

だが、有権者は感銘を受けることなく、この候補者に投票数全体の0.001%しか与えなかった。
不平不満があっても、日本の民主主義は安泰に見える。

ー日本はそれでも機能するが・・・ー

とはいえ、筆者の日本の友人たちが、政治家が災害からの復興に対処できず、財政と人口にまつわる大問題に直面している国に新たな方向性を示せないことに落胆するのは正しい。

たとえこの国の政治家が腕を上げられなくても、日本はほかの多くの国と同じくらいうまく機能し続けるだろう。
だが、東北地方沿岸部の復興では好機を逃す代償が高くつき、日本が抱える長期的な構造問題は悪化するばかりだ。

それだけでも十分にひどい話だ。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/15246

(以上、JBPRESSより)

ー世界最強な天皇陛下ー



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